第40章 すべてを賭けた捨て身の勝負に出る

補佐官が初子さんの傍へ歩み寄り、耳元でひそひそと何かを囁いた。

その直後、彼はわざとらしく花岡寿也へ目配せまでしてみせる。

――馬鹿でも分かる。初子さんと花岡寿也、そして補佐官は同じ穴の狢だ。あそこでこそこそ話している以上、ろくでもない算段を練っているに決まっている。

「この人が名医だって?」

初子さんは工藤達央を指さし、花岡友哉へ問いかけた。

「本当に、この人でお父様の病が治ると? 確信はあるの?」

「……あります」

花岡友哉は頷いた。

「無理だな」

花岡寿也が即座に言い放つ。

「こんな若造に父さんの病が治せるわけがない。名医なら俺だって何人も会ってきたが、こんな年の医...

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